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2009.02.16

うつわとともに

 年初に友人夫妻からうつわを頂いた。あたたかみのある白い釉薬をたっぷりまとったなめらかな肌。一筆書きのようにおおらかな空色の円がぐるりとふちを沿う。天にむかって広がるように立ちあがり、まるでふっくら開いた花を切り取りそっと置いたような軽妙なかたち。思いがけない贈りものに礼を言うと「同郷の作家がつくったもの。もしよかったら使ってみて」とうれしいことば。形の面白さを伝えると「ル-シ-・リ-の影響かな」と、陶磁器の葉書を見せてくれた。いつかどこかで聞いたことのある流れるような音の名前、作品と作家名がぴたりと一致した。
 正月休みが終わり仕事もはじまり、うつわに金柑をならべてたのしんでいた。同封してもらった葉書のなかの稟としたたたずまいを眺めているうちに、ル-シ-・リ-のことを調べてみたくなった、そんな矢先。テレビで彼女の特集が放映される。人柄をふくめて魅力を覚える番組だった。展覧会も始まることを知り、その頃にはきっとすっかりル-シ-に惹かれてしまったのだろう、待ちきれずに初日にでかける。
 「生命のような」とも称される彼女のうつわは、気高く在りながらも揺らぎを感じ、今にも動きだしそうな静かなちからで満ちている。生涯をつうじて陶磁器の冒険をこころみた精神は、星のかけらのような、水のような、植物のような、様々なかたちとなり陶製のちいさなボタンにもあらわれていた。
 ときを経て友人夫妻の好意にあやかり、わたしにもそのよろこびがささやかに響いている。季も移りはなやいだひかりに寄りそうと、うつわの印象もまたかわる。水を張って梅を浮かべてみようか。若竹が出はじめたら、蕗と新わかめと炊き合わせて木の芽をちらしてみようか。あちらこちら、うつわとともに散歩している。
■U-Tsu-Waうつわ■東京ミッドタウン21_21DESIGN SIGHT 2009/2/13~2009/5/10うつわ
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この記事へのコメント
ぬか床に、日本酒効いています。
ほっこりしたのがわかりました。
ついあげたくなりますが、
そう、しょっちゅうじゃダメですよね。

うつわ、ですか。深いおもしろい世界が広がっていそうです。

Posted by かまど猫 at 2009.02.18 18:12 | 編集
かまど猫さま 

米から作られる日本酒と米ぬか。親しく和んで、きっとぬか床もまろやかに育つのだと思います。酔っ払わない程度にどうぞ☆

「80才を過ぎたにもかかわらず、ロンドンがまだ眠りから覚めないうちに起床し、他の人なら疲れ果ててしまうほど長時間働く。長い持続が、多くの新しい技術を産み出す源となっている」シンプルでうつくしいルーシィー・リーの作品の秘密を、20年前のカタログにディヴィッド・アッテンボロウが寄せています。ひとつの指針がここにも。
Posted by marui at 2009.02.19 17:55 | 編集
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