2006.05.01

庭の薔薇

rose

締め切り間際になり、まだ絵具のにおいのするキャンバスを運ぶ。
小さな部屋で見慣れていたはずの画が、先生のお宅で他の画と並べられると
改めて弱い箇所が浮かび上がる。

「来年、もう一度同じ画を出品することは可能ですか?」恥も捨てて先生に尋ねると
「そういう方もいらっしゃいますけど…。展覧会場で皆さんの画に囲まれて、ご自分のお仕事が
よりはっきりとされるかもしれませんね」
途中からアトリエにいらした先生のご主人は
「私達が若かった頃、締め切りに間に合わずに途中で論文を出してしまったこともありました。
まだ悠長な時代でした」と笑顔でおっしゃる。

帰りがけに、お庭で咲いたよい香りのする薔薇を一輪下さる。
「応援歌のつもりです」という言葉を添えて。

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