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2009.11.16

インド滞在記Ⅲ ~マカイバリ茶園③~

jyuunenn
 紅茶の製造方法は、日本でも見たことがなく今回マカイバリ茶園が初めてでしたが、茶葉の薫るなか、いとおしむように紅茶をつくる現場に接してとても勉強になりました。上の写真は、乾燥した後の茶葉をより、細胞を一部壊している「揉捻(じゅうねん)」という作業中。香りよい茶葉に仕上げるには、この揉み具合が重要なうえに、茶葉により微妙に違うようで、職人さんが付きっきりで見守っていたのが印象的でした。この後、専用の棚に丁寧に並べられて発酵させ、その後、大きなオーブンのようなところで乾燥させ、グレード分けされます。皆が活き活きと、自分の仕事に誇りを持って携わっているということが感じられて、またひとつ紅茶を戴くときの喜びが増えてうれしくなりました。

 朝は、紅茶のテイスティングをする部屋に案内してもらい、茶葉の違いを楽しみました。春摘み・夏摘み・秋摘み・烏龍茶・そして、満月の日に新芽だけを摘んでつくられる世界最高の紅茶「シルバーニードルズ」。それぞれの茶葉の特徴が織りなす口福は、パーマカルチャーを実践している茶園だからこそかもしれません。例えば、春摘み・ファーストフラッシュは、春らしい爽やかな味の中にもほのかな桃の香りを感じます。夏摘み・セカンドフラッシュは、太陽の下さまざまな虫たちが茶葉に飛来し、まろやかなやさしい口当たりと、微かにマスカットの芳香が感じられます。

 パーマカルチャーは、単一作物を栽培するモノカルチャーに対して使われる言葉で、マカイバリ茶園ではそれを「大きく分けて6層からなる」と教えてもらいました。第1層は、広大な敷地の3分の2を占める原生林、第2層は、マカイバリ茶園に常植しているマメ科で日陰をつくるネムノキなど。第3層は、一時的に植えるマメ科で日陰をつくるインディゴなど。第4層は、マメ科の果実の木。第5層は紅茶。第6層は、様々な種類の雑草、ツル植物、土の下の植物。

 動植物にとっても、もちろん人間にとっても、みごとに共存した心地よい空間であることは、私自身が実証済みでした。紅茶畑を歩いた時に、すっぽりと足が包まれるような感覚も、マルチングといって、草を敷き詰めることによって雨季には崖崩れを守り、乾季には水分の蒸発を防いでいるとのこと。人智を尽くして自然と共生し、最高の紅茶をつくる、ということを試みるその気高さに、心打たれたマカイバリ茶園でした。
tea taste 1


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2009.11.16

インド滞在記Ⅱ~マカイバリ茶園②~

forest 3
 インド・ダージリン地方のマカイバリ茶園は4つの山にまたがり、総面積が約670ha、その約3分の1が茶畑。残る3分の2は原生林。そんな広大な土地の一部を、茶園主であるラジャさん自らが案内して下さり数時間ともに歩きました。

 道なき山道を、高低差も気にせずに歩き続けながら、五感を集中しているラジャさんと、方向感覚も分からず、ついていくのが精一杯なわたしたち。その都度「観てごらん、ここは野生動物が30分以内に通った道筋」と枯葉の踏みしめられたような跡を指し示したかと思えば、数メートル歩かないうちに「この葉は温暖化の影響で今年はこんなふうになってしまった」と葉を見つめ慈しむ。「この花は虫に刺された時によく効くもの」と掌ですりつぶしてその香りを試させ「あの樹に留まっている鳥が見えるかな」と指す方向には初めて目にする鮮やかな色合いの鳥たち。「木陰の向こうにいるウサギがわかるかな」「こうして蜘蛛の巣が美しくはっているのは生態系が壊れていない証拠」「この蝶も珍しい」つぎつぎと豊かな学びの時間を与えられ心地よく疲れたあと、木立のなかで一休みすることに。
 森の中で寝っ転がったのは何年ぶりだろう。木木に遮られた秋の陽が、やがて目が慣れるとともに少しづつ葉脈まで判断できるようになり、ふかふかと柔らかく暖かな土にすっぽりと囲まれて自然に還ったかのような至福のひととき。こんな原生林に囲まれて、そして、天体の動きを利用し、動物と共生し、調合剤を用いたバイオダイナミック農法で育った紅茶だからこそ、戴くと心身ともに澄んでいくように感じるのかもしれません。

 訪れた10月下旬は、ちょうど秋摘み作業が行われている時季。森を抜けて茶畑に出ると女性たちが丁寧に選びながら、ひとつひとつ手で茶葉を摘み、背負った籠にまとめていた。リズミカルなその動作一連を観察しながら、背中の籠を茶葉で一杯にするのに私だったら一体どれだけの時間がかかるのだろうと考える。そして茶葉を乾燥させ何分の1かの分量になる紅茶にするまでには、なんと多くの手が施されていることか。

 茶葉は、もったいなくてとても捨てられません。以前、教えてもらった活用方法は、①先ずは香りを楽しんでストレートで飲む②次は煮出して戴いて③そして茶葉を乾燥させ小分けにし室内の消臭などに使用した後④土に返す。 最近は③を抜かしているけれど、①②④で有効活用している。

 摘まれた茶葉は、茶園内の工場に運ばれて乾燥させられる。150年の歴史ある木造の工場では自然光に包まれて茶葉が輝いていました。
makaibari 1


2009.11.04

インド滞在記Ⅰ ~マカイバリ茶園①~ 

MB1
10月下旬、2週間ほどお休みをいただき、かねてより訪れてみたかったインド・ダージリンのマカイバリ茶園に行ってきました。マカイバリ茶園の紅茶を知ってから数年、いつの間にか我が家では「紅茶=マカイバリ」に。香り高く、口にすると身体に行きわたり、心身ともに澄んでくる、そんな恵のお茶の秘密を知りたくて飛んでいきました。滞在中は、ほぼ毎食後に紅茶を戴き、茶園の大きな森に抱かれて感覚が研ぎ澄まされて、毎晩ぐっすりと眠り、鳥たちの声で目覚める、そんな素晴らしい毎日。茶園主S.K.バナジー氏、自ら茶園内に居を構え、日々森を歩き、太陽と、人々と動植物と交感する姿勢に接し、たっぷり感化されて帰国しました。

先ずは、今回インドまで連れて行って下さった
マカイバリジャパン並びにイシイ・トレーディング・プライベート・リミテッドの皆さまにお礼を申し上げるとともに、茶園の紹介をパンフレットより抜粋させていただきたいと思います。

「 マカイバリ茶園は、1859年にダージリンに設立され、ダージリン地方で最も長い伝統を誇る茶園であるだけでなく、1970年代から化学肥料を一切使用せずシュタイナー農法による茶栽培を行ったり、茶園で働くコミュニティーを含んだ包括的な茶園経営を行うなど、先駆的な茶園でもあります。
 その実践は、今や世界からも注目され、紅茶業界のみならず、国連機関をはじめNGOや環境保護団体からも毎年視察団が訪れています」

このパンフレットに記載された理念を、私自身何度も読み、紅茶をいただくなかでわかったつもりになっていたものの、やはり「百聞は一見にしかず」。紅茶の葉がどのように育まれ、またその土壌・森をいかに人々が大切に守り続けてきたか。よりよい茶葉に完成させるまでの徹底した追及。決して摘むのに効率がよいとは言えない山の斜面に並ぶ茶園を眺めながら、その困難を実践し継続させる力に圧倒されました。そして京都・宮津の棚田で無農薬の米作りから携わりお酢づくりをされている飯尾醸造さんを想い出しました。そういえば、デリーのお宅では「富士酢」を発見!よいものは国境を超える、とうれしくなった瞬間でした。 

(次回、紅茶畑についてお話したいと思います)






2006.03.16

お濃茶

茶道の心得はありませんが、にもかかわらず、読み返すたびに一杯のお濃茶を
ありありと目の前に思い浮かべる小説があります。
読み上げるのに体力が要ることはわかっていても、読み始めてしまい
本を開くと、筋を知っているのに引き込まれて最後まで一気に読み切り
読後は、壮大な物語の世界から抜け出すのにしばらく時間がかかる。
ほろ苦くずしりと重い、なのに絵巻物のように格調高い。

 やがてはじめられた宗二の点前は、いつものごとくみじん巧みがない。浅い清らかな川床を、
水がたださらさらと流れ去るに似た風情で、それでいて、水がなんらの味もないようでいっさいの
味を含んでいるような、いいようもないうまい茶をたてる。ややこぶりな高麗茶碗に、半分たらず
ふっくり盛りあがっているのを、幻庵は世にもありがたいもののようにとりあげ、しずかに啜った。
 野上弥生子著「秀吉と利休」

宗二と幻庵の、今生の別れになるやもしれぬ茶室での一幕
みなぎる緊張とは対称に、筆致はよどみなく滑り込んでいきます。

利休は秀吉の茶頭でもあり、境の魚問屋の主人でもあり
茶事に限らず食べ物の記載も全編を通じて多く、
「新蕗の砂糖漬」や「塩づけの桜がひと粒浮いた素湯」なども登場します。
数百年前の世でも、人々が変わらずに口にしたであろうもの。
「季節をめでる」といったこころがここにも現れています。

夕方からしずかに降り始めた雨が本降りに
満開だった梅も、残念ながら散ってしまうかな。

2006.02.01

ものがたり

tea

ときに篠つく雨、2月のはじまり。
仕事の合間のひととき、気分を入れ替えるために一杯の紅茶を。
マカイバリ茶園オーガニックダージリンティー/セカンドフラッシュ・ヴィンテージ(マスカテル)  

今日は雨音はするものの電話は少なく、外の用事も早めに終わったので
いつも戸棚の奥でひっそりと眠っているものを集めてみる。
インドネシア土産のテーブルセンターを敷き
インドで丁寧に作られた茶帽子をティーポットに被せて
イギリス土産のアンティークカップに注いでみる。
どれも物語のある頂きものなのに、大切に仕舞っておくとついつい億劫になり
段々と使わなくなってしまう。もったいない!

昨夜、新宿樽一さんにて
マカイバリ茶園について、そして
オーサワジャパンさんのマクロビオティックの話を改めて聴く機会があり
語るべき詞を持つ食品はしあわせ、と感じ入る。

マルイ漬物の商品も
お皿に盛った漬物から「おいしいね」という笑顔が生まれるような
お手入れして頂いているぬかどこから、ひとつの会話が始まるような
そんな小さな物語のきっかけでありますように。

「醗酵食品」は時間をかけて産み出されるもの。
「逃げる2月」に声をかけ、「去る三月」も仲間にし
実りある時間を味方につけて、まろやかな熟成をうながしていきたいと思います。

樽一さん、いつも美味しい時間とご縁を頂きましてありがとうございます。







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